2008年8月14日15時の地上天気図
日本海から東北にかけて東西に長く前線が延びている
一方、南西諸島には低気圧 九州西には熱低があって、南から暖湿気流が(850hpaで15kt近畿)流入している
飛行前のチェックでも発雷はすでに始まっており、特に日本海側の山間部では、帯状にエコーがあって、熱界雷のような状況であった

往路 琵琶湖では、薄日も差し 大変きれいな景色を楽しんだ
不安定な天候とはいえ下層は(3000ft)いたってスムース

東の方は、
雄大積雲で夕日も美しい

仕事が終わって、帰り道
帯状のエコー(16時10分現在)は、琵琶湖にまで達し、下層は もやっとした天気で、薄気味悪い黄色をしている。
余呉の町あたりの雷雨を避けるため 東よりのコースをたどる
特に、界雷を除けば、熱雷の場合は雷本体のセルも限局しているので、逃げ道はあるはず。
あせらず、歌でも歌いながら行くとするか
写真は通過時刻のエコーで、丁度琵琶湖北部のエコーの端 東10マイルくらいを飛行した

ゆっくりと雲を眺めながら、どこが薄いかを見極める。
CB本体に入らなければ、抜け道は判断がつく。

10秒に1回くらいの落雷や、空中放電がある。
いわゆる 地上への落雷は 下に落ちるので、高みの見物だが 空中放電はとにかく不気味。
あたることもあるので、エコー本体からは回避方向で
写真は、動画で撮ったうちの空中放電の様子です。フレーム数から計算すると0.47秒の放電時間でした。

<雷雨で痛い目にあわないために>
とにかくあせってはいけないと思う
私の場合の雷雨を避ける方法を記述します
この方法が良いかどうかはわかりませんが、登山で数々の怖い目に遭遇し、自分なりに観天望気を素人勉強し、編み出した現在での結論です
パイロットとして陥りやすいのは
とにかく 闇雲に飛行した後、雷雨に遭遇することで、にっちもさっちも行かなくなって、予防着陸を余儀なくされることです。
ITの発達した今でも良く聞く話
さて、計画段階では、天気図での雷の性質をつかんでおくこと
雷は、大まかに分けて、界雷と熱雷そして熱界雷の3つに分かれます
今回のように、熱界雷のような場合は、十分な事前チェックをしなければ、抜けられなくなります。
日本の場合はほとんどがマルチセル型の雷なので、一つ一つは小さな雷ができたりなくなったりで、それが、同じ場所でできるか、移動していくかと言うことなので、理屈を考えれば簡単です。
ひとつの雷は30分程度の寿命。
界雷は前線上に発達するのでベルト上に立ちはだかり、しかも移動するので厄介です。
そんなときは もちろん 飛行中止です。
今回は、熱界雷の変形パターン。
暖湿気流が、あらかじめ不安定なところに流入し、山地を利用して収束、ミニチュアの前線ができたようなものです。中層の南西風に乗って、CB群は東に移動して近寄ってはくるが、私が通過する時間中には 抜け道があったので、決行しました。
1. 昔と違って、携帯電話でも 時々刻々エコーが確認できるので、まず確認作業。そして 携帯のエコー画面を保存。
会社のバックアップも もらい 自身と 角度を高める。
2.エコーの位置を確認し、地図に大体の位置をマークする。
雷雨の発達状況や移動方向を把握しておく
3.飛行中は、事前知識で得られた 雷の位置関係と 実際のCBの状態を観察しながら、薄いほうへ回避するのが鉄則。そのときには、事前知識どおり、本体へは近寄らない方向で、直近のCBだけではなく見える限りの遠くの雲も観察し、路地を抜けるがごとく右へ左へ。
燃料を考えながら、目的地の方向へ近寄れば良しというくらいの気持ちで・・・
4.エコーで確認した本体以外にも、エコーで表示できないような極局地的な単独の雷雨もあり ベルーガなどから出るシャワーには注意し、中に絶対入らないようにする。その中は落雷の危険性極めて大きいし、中に入るとまったく前が見えなくなるくらいのスコール状態となって、怖い目にあいます。
「君子危うきに近寄らず」です
以上のことを実践し今までは怖い目にあいませんでした
絶対に、見るからに下が不気味な感じのCBの雲の中は飛行論外
雲下にも近寄らないことです。